「小型家電の回収」や「小型家電のリサイクル」と聞くと、どのような品目を集めていると想像されますか?
実際には「小型家電の回収」と言われても全くピンと来ない方が遙かに多いのが現状です。たとえ小型家電リサイクルや自治体による小型家電の回収をご存知の方であっても「携帯電話」と「パソコン」までは思い浮かんでも、それ以外の品目を回収対象としてすぐに思い浮かべることの出来る方はあまりいらっしゃらないようです。
ただ「小型家電の回収」をご存知な方々の大多数が「あっ、都市鉱山のことですよね!」と仰りますし、『小型家電回収(リサイクル) ≒ 都市鉱山 ≒ 貴金属やレアメタルの回収』というイメージはお持ちで、「携帯電話みたいなレアメタルがたくさん入っているものを集めてるんだよね。日本みたいに資源を持っていない国にとっては重要な施策ですよね。」と肯定的に理解されているようです。。
そもそも小型家電リサイクル法(使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律)の第1条では「この法律は、使用済小型電子機器等に利用されている金属その他の有用なものの相当部分が回収されずに廃棄されている状況に鑑み、使用済小型電子機器等の再資源化を促進するための措置を講ずることにより、廃棄物の適正な処理及び資源の有効な利用の確保を図り、もって生活環境の保全及び国民経済の 健全な発展に寄与することを目的とする。」と書かれています。要するに「貴金属やレアメタルの回収を促進して資源の確保を図りましょう」というのが立法趣旨です。そう考えますと一般的な市民の「小型家電回収」に対する理解と法の「立法趣旨」はほぼ一致しているようです。
ところが、です。最近様々な自治体の小型家電回収後担当者と話をしていて気づきました。小型家電の回収と言いながら、実は鉄やアルミばかりを回収している自治体さんってかなり多いんです。例を挙げましょう。ストーブやトースター、ガスレンジ、アイロンなどの鉄で出来ている品目だけを「小型家電」として回収している自治体さんもいらっしゃいます。またある自治体さんでは、まずは貴金属やレアメタルが入っている部品(高品位部品)をわざわざ鉄やアルミなどと機械で破砕・分別。その後に鉄やアルミは素材として回収するも高品位部品はゴミとして処理する、という摩訶不思議な回収形態を取っておられます。このような小型家電回収形態を取られている自治体さんに問いかけたい。また小型家電リサイクル法の立法趣旨と市民のニーズはいずこへ???
うーん。。。短期的な問題だけを考えても、これじゃ今後幾ら小型家電の回収量が増えたとしても「みんなのメダルプロジェクト」で目標としている銀の回収量を達成することは極めて難しいだろうな。。。
(次回へ続く)