OECD非加盟国から基板を輸入する場合のバーゼル手続について

ここ数ヶ月、某国から日本へプリント基板スクラップを輸入して精錬しようということで輸出国サイドでバーゼル条約に基づく輸出手続を行っているのですが、この手続がなかなか大変。何で大変なのかというと、その根本原因は世界中のほとんどの国ではプリント基板スクラップを有害物として取り扱っておらず、それ故にバーゼル規制対象とは考えていないことにあります。即ち輸出国の政府から「何でプリント基板を輸出して精錬するのにバーゼル手続をやらなければならないの?」と聞かれるので、この質問に対して日本のバーゼル法について説明を行うことから始めなくてはならない訳です。

先方がこの説明に納得したとしても、次に「プリント基板輸出のバーゼル手続なんてやったことがないのだけど、いったいどうすれば良いのよ?」と、何故か此方が聞かれたりすることが多々あります。酷い場合だと「このような手続をやったことがないので、担当部署が決まっていません」と言われて、たらい回し or 放置されることも。。。OECDに加盟すらしてはいませんが、次世代を担うとまでいわれてきた某大国でもこの有様です。いくら日本サイドが「バーゼル法に基づく輸入手続を迅速化します」といっても、相手方がこの状況では何も話は進まないというのが実情でございまして。

そもそも日本のバーゼル法における有害物該当・非該当の判断基準が土壌環境基準にあるのがm全くもって謎といわざるを得ません。実際日本国内で発生してきたプリント基板スクラップには土壌環境基準値を超えるものが多々ありましたし、それらも有価物として取引されてきました。特別有害廃棄物としての規制はおろか、廃棄物としての規制すらもほとんど受けては来なかった訳です。更にプリント基板スクラップの中に入っている有害物は、精錬会社での貴金属回収処理工程内で、ほぼ完全に無害化されます。つまり通常のプリント基板を輸入・精錬する限りは、これらを処理した後に有害物が漏れ出る可能性は皆無。少なくとも政府の許可を得て操業を行っている大手精錬会社で処理する限り、有害物が環境に負荷を与える可能性は考える必要すら無い訳です。

逆にレアメタルなどの資源確保が叫ばれる昨今、この輸入規制を撤廃若しくは緩和すれば、海外からより大量の資源をたやすく確保できるようになるんですけどねぇ。このような無用で迷惑な規制は早く撤廃して貰いたいものです。何とか早いところ宜しくお願いいたします、環境省様・経済産業省様 <(_ _)>。

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