長らくご無沙汰しております。
既にお知らせしております通り、弊社は今週月曜日に新事務所へ移転したのですが、この数週間は移転作業に追われていたこともあり、ブログの更新をサボってしまいました(汗)。
さて最近お客様と話をしている時に、いつも話題になるのが上海の株価と金属価格。上海株価については、個人的には「あー、バブルが崩壊し始めたな。底なしかもなあ・・・。」とは思いますが、私の専門外なのでこれ以上は申しませぬ。
問題は金属価格、特に金価格。本日時点での国内金建値は、4,384円/グラム。先月6月はじめ頃は4,750円/グラム前後の価格であったのに対して、約9%急落しております。
円ベースで金価格を見ている人にとっては、金価格は2011年夏以来は4,000-4,800円/グラム程度である程度は安定していたかのように見えますよね。しかしこれは、ここ数年にわたり為替相場でドルが円に対して高くなってきた影響により、日本人や円ベースで金価格を見る人には見えにくかっただけで、世界中の多くの人が見ているドルベースでは金価格はここ3年間にわたって下落を続けています。
実際にドルベースでの金価格を見ると、2012年夏時点で1オンス当たり約1,800ドル。1オンスは約31.1035グラムですから、当時の金価格は1グラム当たり約57,87ドルでした。そして昨日時点の金価格は1オンス当たり1,097ドル、つまり1グラム当たりに直すと約35,27ドル。ここ3年間で57.87ドル/グラムから35.27ドル/グラムへと、約40%も価格が下落してしまったのです。チャートをご覧になりたい方は、
http://www.kitco.com/mobile/gold10y.html
を訪問して「5 Year」をクリックしてみてください。
さて私どもにとっての当面の問題は、これ以上金価格は下げ続けるのか否か。日銀の黒田総裁の発言を見ても、ドル円が現水準よりも上がり続ける可能性は比較的低そう。そうするとドルベースでの金価格が円ベースでの金価格の鍵を握ることになる可能性大。でもチャートを見ると、2007年頃の1,000ドル/オンスまでは近々下落して、万が一そのまま下落し続けるようだと数年内に700ドル/オンスもあり得る観じ。イヤーな雰囲気です。
以上の状況から考えるに、「貴金属スクラップを在庫に回して金価格の上昇を待つ」という戦略はリスクが大きい割にリターンが小さいので、正直なところお勧めし難いですね。早めに売却してしまった方が宜しいように思いますよ、商売抜きで。